VOL.21

シニア犬の夏の過ごし方 ~熱中症と脱水に要注意~

公開日:2012.07.18

今回から当コラムを担当します
キュティア老犬クリニックの獣医師・岸陽子です。

よろしくお願いします。

毎日暑く、夏らしくなってくると、やはり気になるのが熱中症と脱水。

熱中症は暑いなかでの散歩や運動、車内でのお留守番などで発生することが多いですが、
蒸し暑いお部屋の中でも起こります。

特にシニア犬は、体温調節機能が低下しているので、熱中症の危険性が高まります。

お散歩を楽しんでいるシニア犬も、この時期は朝晩の比較的涼しい時間帯に行くようにしましょう。

お散歩の時は給水ボトルを忘れずに携帯し、こまめに飲ませるようにしてください。

特に夕方は日が沈んでもアスファルトが熱くなっていますので注意が必要です。

体や耳が非常に熱い、呼吸が荒いなどの症状があったら、すぐかかりつけの病院に相談しましょう。

夏を元気に乗り越えるために、まずはワンちゃんが過ごすお部屋の環境も
一度見直してみましょう!

エアコンのドライ機能を上手に利用して、室温の上昇を抑えましょう。
お部屋の温度を均一に保つために、扇風機の併用もお勧めです。

ワンちゃんのサークルやケージを、直射日光やエアコンの風が直接当たらない
ところに置きましょう。

午前中はよいけれど、午後や夕方に西日が当たるなんてことはありませんか?
夏の西日は強烈ですよ!

寝たきりのワンちゃんは、冷えすぎも要注意です。
クールマットは暑さを和らげるのに良い方法ですが、
やはり冷えすぎないように体位をこまめに変えてあげましょう。

そして、この季節は脱水症にも注意が必要です。
特にシニア犬は腎臓の機能が低下していたり、
喉の渇きを感じにくくなっていたりするので、
暑さが加わると脱水症状を起こしやすいのです。

飲み水はいつでも自由に飲めるようにしておきましょう。

寝たきりで自分で飲めないコは給水回数を増やしたり、ドライフードの場合は
ふやかして与えるなど、食事中の水分を増やしてあげるのも良いでしょう。

ワンちゃん用の経口補水液などもありますので、動物病院に相談してみましょう。

節電に工夫しながら、ワンちゃんの健康とのバランスを考え、

楽しいドッグライフを過ごしましょう♪

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