VOL.23

シニア犬・老犬の下痢について ~美味しいものはほどほどに!~

公開日:2012.09.17

まだまだ暑い日が続きますが
セミの鳴き声が少なくなって
秋の虫の声が聞こえ始めました。

今年の猛暑を乗り越えてきた
シニア犬・老犬のみなさんに
夏の疲れが出始める頃です。

今回はシニア犬・老犬の下痢についてお話します。

一口に下痢といっても原因は様々で

食事の影響による消化吸収不良
細菌・ウィルス・寄生虫による感染性
毒物や薬物の摂取
炎症性の腸疾患
アレルギー反応
腫瘍、膵外分泌機能不全
全身性の病気(内分泌や代謝性)
ストレス

などにより発症します。

シニア犬・老犬の日常で多く見られるのは
消化吸収不良(浸透圧性下痢)とストレス性です。

食事の急な変更や食べすぎ
美味しいオヤツの与えすぎ
などで腸の消化吸収力が落ちると
未消化な食べ物が残って
腸の中の浸透圧が高くなります。

そうすると
腸壁の水分が腸の中に出て
水分の多い便になってしまうのです。

また
シニア犬・老犬では加齢に伴い胃や腸などの
消化器の働きが鈍くなり
消化液の分泌も悪くなってきます。

もともとの消化吸収能力が低下するため
食事の内容に変化が無くても
便がやわらかくなったり
良い便とやわらかい便を繰り返したりします。

ストレス性では、
来客の後やホテルに預けた後などに多く見られます。

夏場では
特にお盆の頃や
小さいお子さんが遊びに来た後など、
ワンちゃんなりにおもてなしに
がんばった後になりやすいようです。

シニア犬・老犬の下痢は2・3日続くと
脱水症状を起こしやすく
特に高齢の子は下痢がきっかけとなって
寝たきりに進むことがあるので注意が必要です。

老犬のお腹の健康を守るために、

1. 食事の切り替えは慎重に
2. 老犬の消化吸収能力に配慮したシニア犬フードを与えて
3. 食べ過ぎず
4. ストレスの少ない生活を送る

これから食欲の秋を迎えて
美味しいものがいっぱい出てきますが

人間もワンちゃんも
食べ過ぎには気を付けましょうね☆

それではハッピードッグライフ♪

  • 獣医師コラムトップページへ