VOL.9

シニア犬・老犬の予防医療ノミ・マダニ

公開日:2011.07.15

愛犬の顔に黒いイボ!?と思ったらダニだった!なんて経験はありませんか?

ノミ・マダニが怖いと言われる最大の理由は何といっても
「とっても身近な場所に感染の危険性がある」ということです。

そして、様々な病気を媒介するという点です。

ノミやマダニの寄生による症状は貧血やアレルギー性皮膚炎などですが、
問題は、マダニは犬の命にかかわる「バベシア」という原虫を伝播 することです。

バベシアは、マダニの吸血の際に犬の血管内に注入され、赤血球内に侵入して、
赤血球を破壊します。

全身に酸素を運んでいる赤血球がどんどん 壊されていけば、衰弱が進行して、
ついには全身性の酸素不足状態からショック状態に陥り、命を落としてしまうのです。

その他にもいくつか人にも感染する病気の媒介もします。寄生しても痒がるだけと
思っていたら大間違いなのです。

そしてもう一つの間違い

「冬になれば、ノミはもういなくなるんでしょ?」

飼い主様からそんな声をよく耳にします。

けれど、意外かもしれませんが真冬でも平均で犬では10頭に1頭、猫では5頭に1頭の割合で
ノミの被害が認められているのです。

これは飼育環境が屋内中心になってきて、冬でも暖かい環境にいるからです。

また、ノミのライフサイクルは、繁殖のピークシーズンでは2~3週間でひとまわりすると
言われていますが、温度が低ければ何と180日もかかる場合があるという報告もあるのです。

つまり、卵や幼虫、さなぎといった未成熟期のノミは、たとえこの冬の間に成虫に
なることはできなくても、やが て春が来れば一気に成長してペットたちに寄生すること
ができるのです。

冬でもノミは生きている!という事実を忘れずに、年間を通してのノミ対策をおすすめします。

最近新しく飲み薬タイプの予防薬も発売されました。従来のスポット剤タイプのお薬よりも
速くノミ・マダニの吸血を阻止し、吸血回数も大きく減らすようです。
また、経口薬なので全身の隅々まで駆除効果を発揮します。

シャンプーを頻繁にする、皮膚疾患がある、スポット剤をつけていても顔先にマダニが
ついていたことがあるなどの場合は飲み薬タイプのノミ・マダニ予防薬を試しては
いかがでしょうか?

シニア犬・老犬も外に一歩出ればノミ・マダニの感染の危険があります。

定期的な駆除剤の投与によってノミ・マダニから守ってあげましょう。

それではハッピードッグライフ☆

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