VOL.55

~犬にも「五月病」ってあるの?~

公開日:2015.05.20

5月に入って急に暑くなりましたね。

この急激な気候の変化は動物の体にも影響していると思います。

まだ冬の毛が完全に抜けきっていなかったり
体が暑さになれていなかったりするのため
夏バテ症状をおこす可能性があります。

お散歩に行く時間帯などにも気をつけてあげましょう。

さて 先月は中医学(中国医学)の考え方の
基本である「五行学説」をもとに
春に起こりやすい病気についてお話しました。

今回は
「五月病」について考えてみたいと思います。

この時期に限って
やる気を失ったり
なんとなくだるかったり・・・

でもすべての人がなるわけではありませんよね。

それではこの時期に限って倦怠感はどうして起こりがちなのでしょうか?

動物にも「五月病」は起こるのでしょうか?
中医学的に考えてみたいと思います。

前回 春の時期は肝の気が旺気することをお話しました。

肝臓が暴走すると
イライラしてしまったり
五月病のような倦怠感や焦燥感のようなもの
を引き起こしていきます。

人の場合はそれに加えて春は
入学・転勤・異動など環境の変化が多く
身体にストレスがかかりますとさらに
肝の気のめぐりが悪くなってしまいます。

動物の場合は春になると
外の猫が発情して興奮していたり
ケンカしたりする場面を見かけることがあると思います。

また動物園の動物たちも春はウロウロ
動き回ったりと他の季節よりも
よく活動しているように感じられます。

そして5月は
春から夏に移行する期間で
五行の季節を五臓で当てはめると
「肝→心」へと移り変わります。

今度は「心」の病気が起こりやすく
なっていきます。

「心」は神(精神)の宿る場所で
生命活動の中心です。

また血脈をつかさどっていて
気血を動かして全身の臓腑や器官を滋養するのです。

夏に活発になりますが今の季節では
まだうまく「心」が機能しない場合や
逆に強く出過ぎる場合も見られます。

「心」の働きが弱くなると
精神不安
不眠症や
自律神経失調症などの症状が見られます。

症状が重くなると
心拍動の異常を伴ったり
動きたがらなかったり
寒がったり
また貧血などもみられます。

逆に「心」が強くなりすぎると
自律神経系の過興奮や
失眠(寝付けない)
精神障害が見られます。

また心が熱を持つので
尿が黄色く
少なくなり
口内炎・舌炎
なども見られます。

このようなことから五月は
イライラしやすかったり
不安になりやすくなる
季節だということがわかります。

人と違って動物は環境の変化はないように
思うかもしれませんが
飼い主様の心の変化を動物は敏感にキャッチします。

また動物たちも原因は様々ですが
多くのストレスを抱えていると私は思います。

鍼灸治療をすることで
身体と精神をリラックスさせ
心も体も元気になるお手伝いができると思います。

そして
それを手助けしてくれるのが薬草「マコモ」!

次回はそんなマコモについて
実際に使っているわんちゃんを
ご紹介しながらお話していこうと思います。

それではハッピードッグライフ♪♪

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