トイプードル14才の東洋医学治療

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こんにちは
獣医師の横山恵理です。

今年は梅雨が明ける前から
真夏のような暑い日が続きました。

こんな陽気の時に
気を付けなければならないのが
「熱中症」ともう一つ「足腰の冷え」。

新陳代謝の低下したシニア犬・老犬は
飼い主さんが思っている以上に
冷えに弱くなっています。

「うちの子は暑がっているから」
と思っていても

実は下半身の冷えがのぼせにつながっていて
「暑いつもり」になっていることも多いです。

そんな時
キュティアでお勧めしているのが「腹巻」。

人間の赤ちゃんコーナーでは
夏用の薄手のものもあります。

のぼせを解消することで
体感温度も下がりますし

「頭寒足熱」を心がげることで
夏バテ予防にもつながります。

足腰が冷えやすくなるのは
東洋医学五行の「水」に当たる「腎」の
弱りからくるものなのです。

今回はその「腎」の弱りからくる症状で
通院しているわんちゃんをご紹介します。

ポキちゃんは14歳のトイプードルの男の子。

2年前の年末に
変形性脊椎症になり
時折痛みで震えることがあっても
痛み止めで治まっていました。

ところが今年にはいって震えが頻繁になり
4月になって腎臓の数値も上がってきた
ことからキュティアに来院されました。

初めて来院したときは
かかりつけでのステロイド投与で
症状が安定していたため

身体全体を補う鍼灸治療と
筋肉の衰えを補う豚肉のトッピングごはん
でお家でのケアを行っていました。

ところが5月の終わりに
突然後ろ足がブルブルと激しく震えて
止まらなくなり
尻尾や腰が下がり
ハァハァと苦しそうな呼吸をする
ようになったと慌てて電話がありました。

西洋医学では
「腰かどこかがいたいのかな?」
と考えてしまうような症状ですが
実は2つとも「腎」の弱りからくるものです。

今年の春は1日の中でも寒暖差が激しく
年を取った体には負担が大きかったため
ポキちゃんの弱り始めていた「腎」へ
ダメージとなったしまったようでした。

「腎」が弱ってきた状態の「腎虚」が
足腰の衰えにつながることは
よく耳にするのですが

「腎虚」がさらに進行し
「腎」と母子関係にある
「肝」の「水」まで
少なくなってしまった「肝陰虚」が
筋肉の痙攣を引き起こすことで
後ろ足の震えがおこります。

また「腎」は「納気」といって
肺が胸中に取り込んだ空気を
身体の奥に納める働きも持っています。

この「納気」がうまくできなくなると
呼吸が浅くなり
ゼイゼイを苦しそうな呼吸につながるのです。

また「腎」が弱まることで
「恐怖」や「怒り」のコントロールが
うまく出来ないことがあります。

ポキちゃんも
気が乗らないときにだっこすると
怒るようになっていました。

そこでお昼寝中でも快適に移動できる
ようにと飼い主さんが衣装ケースを
アレンジした快適ベットに入って
やってくるようになりました。

ポキちゃんには
鍼灸治療の他に漢方薬を追加して
「補腎」を徹底して行い

お家でも「肝」の熱を排出する
作用もあるマコモの入ったクッキーを
こまめにあげてもらうことになりました。

10日ほどで震えも改善し
いまではお散歩のときに
小走りできるようになりました☆

そして腎臓の数値も
正常値にもどってきました。

西洋医学では
「なんだかわからないけど高齢だから」
とあきらめてしまうような症状でも
東洋医学だと説明がつくこともあります。

何か気になることがございましたら
お気軽にお問合せください。

それではハッピードッグライフ♪

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