Vol.67

ドッグフードは総合栄養食なんですが-犬の食について考える-

公開日:2016.05.20

こんにちは
獣医師の横山です。

お天気に恵まれた今年のゴールデンウィーク
いかがお過ごしでしたか?

我が家は子連れ数家族で連れ立って
千葉の海でバーベキューを楽しんできました。

そのとき印象深かったのが
友人の実家で育てているという牛さんのお肉。

出産から出荷まで自分のところで行い
厳選された健康的な飼料を与えられて
育ったというそのお肉は

とてもジューシーで柔らかく
クセのない甘みのある脂がたっぷりなのに
全然胃にもたれないのです。

「ごはんでここまで
お肉の味って変わるんだ!」

と本当にびっくりしました。

キュティアに来院されている
わんちゃん達の中でも

ご長寿なのにとっても元気に
若々しくしているのは
それぞれにこだわりのごはんを食べて
過ごしている子が多いような気がします。

一般的に
「ドックフードは総合栄養食だからそれだけ
  あげてるのが一番良い」
とされていますし

獣医さんからもそのように
指導されているとは思います。

ところで みなさん
ドックフードのパッケージに記載されている
原材料について注意深くみたことありますか?

大抵袋の横か裏面に書いてあるのですが
この表示は原則として
含有量の多いものから順番に記載する
ことになっています。

我が家でも時々与えている
動物病院推奨のドックフードをみてみると

トウモロコシ、小麦、トリ肉、動物性油脂、
トリ肉エキス、亜麻仁、ビートパルプ・・・

と圧倒的に炭水化物が多いことが分かります。

これがどこのスーパーにもおいてあるような
中身がカラフルなフードになりますと

穀類
(トウモロコシ、小麦粉、コーングルテンミール、
パン粉、フスマ、コーングルテンフィード等)

肉類
(チキンミール、ビーフミール、
ポークミール、ビーフエキス等)、
動物性油脂・・・・となりますが

「XXXミール」というのは
レンダリングプラントに代表されるように
肉だけでなくフンや被毛も
丸ごと使用することが多く

「お肉」そのものの含有量はさらに低い
ものとなります。

東洋医学的に
炭水化物は「湿」につながるので
過多になるとアレルギー性皮膚炎や涙やけの
原因となりますし

過剰な状態が長く続くと
「痰飲(たんいん)」や
「淤血(おけつ)」となり
様々な体調不良を引き起こすことになります。

また筋肉の原料となるたんぱく質が
少ないので加齢とともに筋肉が減少していく
のを加速する要因の一つにもなっています。

キュティアショップで取り扱っている
国産の「ペロ」や「ジロ吉ごはん」といった
プレミアムフードですと

たんぱく質源の含有量の方が多く
理想的な栄養バランスとなっている
ものも多いです。

しかし「お肉」が多くなるとやはりそれなりに
お値段も高くなってしまいます。

そこでクリニックにご来院の飼い主さんには
「トッピングごはん」を
お勧めするようにしています。

ドライフードを1/3程減らしてその分
肉・魚や野菜などをトッピングします。

体重5キロあたり1日肉30g
が目安となります。

わんちゃんの生活環境によって
必要カロリー量もことなるので
1週間ごとの体重・体型の変化をみて
適宜調整していくとよいでしょう。

トッピングごはんについては
シニア犬・老犬の生活特集記事
シニア犬・老犬の手作りご飯
でも紹介していますので参考にしてください。

次回は体調別のおすすめトッピング食材を
ご紹介しますネ。

それではハッピードッグライフ♪

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