シニア犬・老犬のリハビリ・トレーニング

愛犬の変化にいちはやく気づくことができるのはなんと言っても飼い主様です。シニア犬・老犬の世代に仲間入りしても、ワンちゃん個々の状況により変化はまちまちです。早めに変化に気づいてあげ、積極的にリハビリ・トレーニングおこなうことでハッピーなシニア犬・老犬ライフを一日でも多く過ごすことができるでしょう。

リハビリ・筋力アップトレーニングでアンチエイジング

犬は「自分の足で立って歩きたい」という気持ちがとても強いものです。

自力で立てなくなっても1時間に1回立たせてと吠えてみたり、寝たまま足を動かして歩きたいと
アピールする犬もいます。

またハーネスで介助して歩かせたり、車イスに乗ることで生き生きとできることからストレスが解消され、
夜鳴きがおさまることもあります。

シニア犬・老犬になってもリハビリや筋トレをすることで立ちたい・歩きたい気持ちが現実の
ものとなります。

ポイントは早期発見とすぐに始めること

リハビリ・筋力アップトレーニングと言うと歩けなくなってしまったり、手術後の筋力回復のためのものと
思われがちです。しかし早い段階でリハビリや筋トレを行うことでより長く自分の足で歩くことができます。

こんな症状は出ていませんか?

・散歩に行きたがらない、歩くのが遅くなった
・立ち上がるのがつらそう
・オスワリすると横に足をながす(横座り・おねえさん座り)
・きれいなフセの姿勢ができない(後足をくずしてしまう)
・腰やしっぽが下がっている、首が下がっている
・後足の幅が腰幅よりせまい、内股になる
・体重のかけ方が左右対称でない、跛行がある

また、生まれつき膝や股関節に問題があったり、ヘルニアになったことがあると筋力が弱くなりがちです。
若いうちから積極的な筋力アップのトレーニングをすることをおすすめします。

筋力アップトレーニング・リハビリの基本編

犬の運動の基本は毎日のお散歩です。ゆっくりしっかり歩くことが大切です。
しかし、毎日お散歩していても日々の姿勢や歩き方の癖、加齢によりうまく使えない筋肉もあります。
そこで弱ってきている筋肉を鍛えるのが筋力アップのトレーニングです。

筋トレやリハビリは少しずつでいいので毎日行うことが大切です。愛犬の体調をみながら、
お散歩前後やご飯の前など毎日必ずおこなう事とセットにすると忘れないでしょう。

寝たきりになってしまった老犬にも行えるものもあるのでチャレンジしてみましょう。

【基本はまずストレッチから】

若いころは伸びの姿勢をしていたのに最近その姿を見ていなかったりしませんか?

加齢とともに寝起き後は体も固くなってきます。ストレッチは朝一番にやることをおすすめします。
(朝時間がなければ散歩の前でもOK)

1.まず足の指を1本ずつ上下に5回動かします(全部の指を行います)
2.指全体(足先)を曲げ伸ばしします(伸ばす時は地面に着地しているときの角度になるようにします)
3.肉球の間を広げるように足裏をやさしく刺激します
4.足首は可動域がせまいのでやさしくそっと動かします
5.肘、膝の曲げ伸ばしをします(関節に問題がある場合は慎重に)
6.首からしっぽまで背骨に沿って両手でやさしく手の腹でさすっていきます

痛みがある場合や嫌がる時には無理して行わないで、獣医師に相談しましょう。

【正しい姿勢で効果的に筋力アップ】

オスワリやフセができますか?と聞くと多くの飼い主様が「はい」と答えます。
しかし実際見てみると足が左右対称に開けず片側に流れていたり、前に伸びてしまっていたり、
膝が内側に入りすぎていたりします。きちんとオスワリやフセができている子は少ないものです。

皆様の愛犬はどうでしょうか。きれいに座れているでしょうか?
きれいな姿勢でいることが体のゆがみの予防と筋力アップにつながります。

歩けなくなったシニア犬・老犬はまずフセの練習から始めましょう。 フセの姿勢も体幹の筋力や首の筋肉、足を閉じるための筋肉など全身を使います。フセの姿勢ができたら
次にオスワリの練習をしていきます。

【整体治療・マッサージ】

キュティア老犬クリニックで行っている整体治療やマッサージはリハビリのひとつです。

若い犬やまだまだ歩けている犬でも、歩き方の癖や寝る姿勢などによって体のゆがみやコリが生じます。
整体で全身のバランスを整え、関節の可動域を広げてあげることで、より効果的に筋肉を使うことができます。
お散歩での運動量も増し、ロコモーティブシンドロームの予防にもつながります。

シニア犬・老犬も整体で硬縮した筋肉をゆるめてあげることで体が動かしやすくなり、筋トレ・リハビリ
との相乗で筋力をつけていくことができます。

筋力アップトレーニング・リハビリの応用編(目的別トレーニング)

ストレッチや姿勢のキープなど、毎日行いたい基本な筋力アップトレーニングに加えて行うと
より効果的なのが目的別トレーニングです。

筋力維持のためには毎日歩くことが最も重要なのですが、衰えている筋肉を集中的に鍛えていくことで
より長く歩くことができます。シニア犬だから老犬だからとあきらめないで、運動、食事、環境を変えることで
筋肉を鍛えることができます。

それでは筋力アップトレーニング・リハビリの例をいくつかご紹介します。
室内で行うときは床で滑らないよう必ずヨガマットなどを敷くことをおすすめします。
ヨガマットはホームセンターなどで市販されているもので十分です。

【体幹・全身のリハビリ・筋力アップトレーニング】

【手あげ・足あげトレーニング】
四肢で立たせて片方の肘を下から持ち上げます。5秒間ずつ左右交互に5~10回行います。
前足が弱っている場合は後足の膝を下から持ち上げて片側ずつ同じように行います。
次に対角線の前足と後足の2本(右前足と左後足)を持ち5秒間キープします。
簡単にできてしまう場合は軽く揺さぶり、バランスをとらせます。

もう一対も同様に行います。各5回くらいを目安に行いましょう。
最後に、右前足と右後足を持ち上げて、体の左側だけでバランスをとらせます。反対側もおこないます。
難しい場合は倒れないように飼い主様の体で支えたりしてアシストしてください。

【バランス歩行】
不安定な場所を歩くことによって全身のバランス感覚を養います。脳にも良い刺激になります。
小型犬なら大きめのクッション、大型犬なら人間用のビーチマットの上を横断縦断します。
クッションには空気を2/3程度入れ、大きなシーツで覆いましょう。クッションはいくつか用意すると
良いでしょう。

海が近くにある場合は砂浜を歩くのも同じ効果が出るのでおすすめです。

【ポールくぐり】
廊下など幅の狭い場所に突っ張り棒を設置します。高さは愛犬の首よりも下にします。
くぐる時には首から背中を、立ち上がる時には下半身を鍛えることができます。
徐々に下げていくことでより筋肉に負荷をかけることができます。おやつをあげながら遊び感覚で行います。

下半身の筋力アップトレーニングとリハビリ

【ゆるやか坂上り】
「シニア犬・老犬だから坂道は避けて平坦な道を選んでお散歩しています」という言葉をよく耳にします。
いえいえ!避ける必要はありません。なぜなら上り坂は下半身トレーニングにとてもいいからです。
急な坂を下るときは斜めにジグザグに下ると歩きやすくなります。

【スクワット】
ゆっくりオスワリして立ち上がるのを繰り返し行います。ポイントはおやつで誘導してゆっくり座らせる
ことです。
おやつは座ったらあげるのではなく「座って立って」を2~3回繰り返してからあげるようにしましょう。

【ポールまたぎ】
バスタオルを丸めたり、ペットボトルにタオルを巻いたりしてポールを作ります。
高さは愛犬の膝より低めです。足を1本1本上げてゆっくりまたぐようにおやつなど使って誘導します。
1本に慣れたら間隔をあけて数本を並べるようにしてレベルアップに挑戦してみましょう。

上半身の筋力アップトレーニング・リハビリは

【腕立てフセ】
オスワリからフセをしてまたオスワリをする運動は肩から前足のトレーニングになります。
5回位繰り返したらごほうびをあげながら行いましょう。上手くできたらいっぱい褒めて上げてください。

【綱引き】
市販のひも状のおもちゃ・ロープ・タオルなどをを使って引っぱり合いっこをします。
首から背中の筋肉を鍛えることができます。
時々手を離してあげると「勝った~!」と喜ぶかもしれませんね。

ハーネスや車椅子を使ってのリハビリやトレーニング

ハーネスはよろけたり、足がもつれるようになってきたら転倒防止のためにも積極的に使いお散歩を
続けましょう。

この時期が寝たきりになってしまうか、まだ自力で歩けるようになるかの境界線です。

すぐに対応すれば筋力が回復してくる場合もありますが、様子をみたりして運動しないでいると
寝たきりになってしまう可能性が高くなります。

ハーネスでの介助が難しくなってきたり、飼い主様が介助するのが大変な場合は車イスを使うと
お互い少し楽になるかもしれません。
車椅子と聞くと「完全に歩けなくなってから使うもの」と思われがちですが、早い段階で取り入れる
ことでリハビリ・筋力アップトレーニングの効果があります。

車イスのタイプにもよりますが、後足を吊り上げずに乗れるタイプですと、前足の動きにつられて
後足も動かすようになります。

ケガや病気で歩けなくなったり、加齢で筋力が衰え寝たきりになってしまった場合でも、4輪の車イスで
立つ姿勢をとるだけで、自信を取り戻し、生き生きとしたり、夜鳴きがおさまり穏やかに過ごすようになる
こともあります。

幸せ老犬ライフチェック

「自分の足で立って歩きたい」
その気持ちはシニア犬・老犬になっても変わりません。愛犬の歩き方や姿勢はどうですか。
じっくり観察してみてください。老化のサインに早く気づいてあげることが大切です。

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